App Store Connectヘルプ
アプリの譲渡の概要
アプリを別のデベロッパに売却する場合、または別のApp Store Connectアカウントや組織に移行する場合、そのアプリの所有権を譲渡する必要があります。
アプリを譲渡する際に、App Storeでダウンロード可能な状態にしたままにすることもできます。アプリは譲渡中も譲渡後もこれまでのレビューと評価を保持し続け、ユーザは引き続きアップデートを受け取ることができます。アプリのバンドルIDは、いったんアプリのビルドがアップロードされると変更できないため、アプリの譲渡後も変わることはありません。
1:アプリが譲渡可能であることを確認する
アプリが譲渡可能となるには、アプリの譲渡の条件をすべて満たしている必要があります。
2:全アプリ情報のバックアップを作成する
アプリは譲渡後にあなたのアカウントから削除されるため、譲渡を行う前にそのアプリに関するすべての情報のバックアップを取っておく必要があります。
3:アプリの譲渡を開始する
アカウント内のAccount Holderがアプリの譲渡を開始します。詳しくは、こちらをご覧ください。
4:アプリの譲渡を承諾する
受取人側のAccount Holderがアプリの譲渡を承諾します。詳しくは、こちらをご覧ください。
自動更新サブスクリプションを使用するアプリ
自動更新サブスクリプションを提供するアプリは、アプリ用共有シークレットを使用する必要があります。
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アプリの譲渡の開始
自動更新サブスクリプションを提供するアプリの譲渡を開始する前に、アプリ用共有シークレットを生成します。次に、アプリの譲渡先であるデベロッパアカウントのユーザにコードを共有します。コードを共有したら、アプリの譲渡を開始します。
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アプリの譲渡の承諾
自動更新サブスクリプションを提供するアプリの譲渡を承諾する前に、サーバを更新し、コードを使用して自動更新サブスクリプションを検証できるようにするために、アプリ用共有シークレットを責任者から取得します。アプリの譲渡が完了したら、組織外のユーザがアクセスできないように、アプリ用共有シークレットを生成します。
キーチェーン共有を使用するアプリ
キーチェーンの共有は、アプリのアップデートまではそのまま動作しますが、アップデートされると無効になります。そのため、アップデートを提出する際は、キーチェーンを再構築する必要があります。Xcodeプロジェクトでキーチェーングループが定義されている場合、キーチェーン共有を継続するには、受取人が作成した、受取人のチームIDを含むグループと置き換えてください。アップデート後、アプリがキーチェーンから認証トークンを取得できなくなるため、ユーザは再ログインを求められます。
プッシュ通知を使用するアプリ
Apple Payを使用するアプリ
Apple Payを使用するアプリを譲渡する場合、マーチャントIDは譲渡されません。元の証明書が有効である限り、トランザクションは引き続き正常に行われます。ただし、アップデートを提出する際には、新しいマーチャントIDを受取人のアカウントで作成する必要があります。
「Appleでサインイン」を使用するアプリ
Mac Catalystで開発されたアプリ
Mac Catalystで作成されたアプリの譲渡において、アプリがユニバーサル購入を提供していない場合、iPadアプリ(プライマリアプリID)とMacアプリ(Mac CatalystアプリID)の両方を譲渡する必要があります。
最初にiPadアプリを譲渡し、次に関連するMacアプリを譲渡してください。受取人は、Mac Catalystを使用してiPadアプリを基に新規Macアプリを作成することができないため、Macアプリも併せて譲渡してください。
Walletを使用しているアプリ
アプリが、アプリやWebサービスからのアップデートを必要とするウォレットパスを配信する場合は、譲渡の後、新しいIDを使用してパスを再発行する必要があります。新しいIDを使用することで、パスの署名がApple Developerアカウントから発行された証明書で行われるようになります。ユーザの混乱を最小限に抑え、機能中断を避けるために、アプリ内のメッセージを利用して、以前に発行されたパスが無効になることを通知し、アプリやWebサービスから新しいパスをダウンロードするように促すことをお勧めします。
iCloudを使用するアプリ
アプリで以下のいずれかが使用されている場合、アプリの譲渡が受取人に承諾された際、以下も合わせて譲渡されます。
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ユーザデータの保存に使用されているiCloud
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iCloudコンテナ
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アプリに関連付けられているKVSの識別子
アカウント内のほかのアプリとCloudKitコンテナを共有しているアプリを譲渡する場合、ほかのアプリにも譲渡の影響が及びます。ほかのアプリで、譲渡したCloudKitコンテナ内のデータの読み取りや保存ができなくなります。また譲渡人は、譲渡したアプリのユーザデータにiCloudダッシュボードを経由してアクセスすることができなくなります。アプリのアップデート実施後、譲渡したCloudKitコンテナを使用してアプリデータの読み取りや保存を行うことができなくなります。
アプリがiCloudのKey-Value Storage(KVS)を使用している場合、譲渡されたアプリに対して作成する新しいプロビジョニングプロファイルに完全なKVSの値が埋め込まれます。完全なKVSの値を含むプロビジョニングプロファイルを使用して、entitlements plistを更新してください。
Game CenterとApple Arcadeを使用するアプリ
マルチプレイヤー互換性:アプリが、アプリ間のマルチプレイヤー互換性マトリックスの一部である場合、ほかのアプリとの互換性がなくなり、マトリックスにも表示されなくなります。譲渡したアプリが既存の別アプリと動作するようにするには、アプリの譲渡後、受取人が当該アプリにマルチプレイヤー互換性を追加する必要があります。
Game Centerグループ:アプリがGame Centerグループの一部である場合、譲渡中にそのグループから削除されます。Leaderboardおよび達成項目のステータスは、譲渡が完了次第すべて元に戻ります。元々グループLeaderboardを構成していたLeaderboardについては、識別子にgrp.
というプレフィックスが付いたままとなります。譲渡が完了次第、受取人は当該アプリをGame Centerグループに追加できるようになります。
マージしたLeaderboard:元々シングルLeaderboardだったがその後グループに統合されたものについては、譲渡後にgrp.のプレフィックスが削除されます。これらのLeaderboardのIDは、統合前のものに戻ります。スコアの投稿が正常に行われるよう、アプリの譲渡後に受取人は必ず、新しいLeaderboard IDを使用してアプリのビルドをアップデートしてください。
マッチメイキング:マッチメイキングに関する設定は、アプリの譲渡とともに引き継がれません。Game Centerでのマッチメイキング機能が正常に動作するためには、譲渡完了後に受取人がマッチメイキングに関するルールを作成または変更する必要があります。
代替アプリマーケットプレイスで配信されるアプリ
譲渡を始める前に、譲渡人は、影響のある代替アプリマーケットプレイスにアプリの譲渡について知らせておく必要があります。変更については、譲渡人と受取人の双方に、マーケットプレイスへ通知する義務があります。
代替アプリマーケットプレイスで配信されているアプリの譲渡を行う場合、ユーザがアプリのダウンロードを継続して行えるよう、受取人は譲渡前に「Alternative Terms Addendum for Apps in the EU」(EUにおけるアプリに関する新しい規約の付属文書)に同意し、かつApp Store Connectで同じマーケットプレイスを追加しておく必要があります。譲渡したアプリを配信できる代替アプリマーケットプレイスは、譲渡人と受取人の両方が譲渡前にApp Store Connectで追加したもののみです。
招待
ノミネートは、譲渡内容に含めることができません。ノミネートの詳細を受取人と共有するには、現在のノミネート情報を記録し、譲渡開始前に直接受取人に渡してください。
App Bundle
App Bundleの一部であるアプリを譲渡すると、App Bundleの履歴を見ることができなくなります。アプリを譲渡する前に、忘れずにApp Bundleの情報を記録しておいてください。
アクセシビリティラベル
アプリがアクセシビリティ機能に対応していることを記載していたり、アクセシビリティURLを含めたりしている場合は、これらの対応情報とURLも受取人に譲渡されます。譲渡の完了後、受取人はアクセシビリティURLを自分のWebサイトに更新できるようになります。
Webhookを使用するアプリ
アプリにWebhookを設定していた場合、それらは受取人に譲渡されます。譲渡後にWebhookイベントが譲渡人のWebサーバに送信されないようにするには、アプリを譲渡する前にWebhookを削除してください。あるいは、譲渡完了後に受取人がWebhookを自身のWebサーバに更新することもできます。
アプリの譲渡中および譲渡後の注意点
アプリが譲渡されると、アプリに関連付けられたアプリIDも受取人のデベロッパアカウントに転送されます。譲渡人のアプリIDがワイルドカードアプリIDだった場合、アプリのバンドルIDと正確に一致する明示的なアプリIDに変換されます。
譲渡人は、実際のコードセットとビルドのアセットを受取人へ直接引き渡す責任を負います。その際に、キーチェーンの共有、Game Center、プッシュ通知などの機能やApp Storeの設定がアプリに追加されている場合は、これらの設定が今後のアップデートでも維持されるように必ず受取人に知らせてください。
アプリの譲渡後は、その所有状況に関係なく、新規または追加のプロモーションコードを生成できなくなることに注意してください。生成できるプロモーションコードはアプリバージョンごとに最大100個で、コードは生成日から4週間有効となります。
売上とトレンド、支払と財務報告に関するデータ
アプリを譲渡する場合、譲渡人は譲渡前に発生した売上や支払いに関する情報には引き続きアクセスできますが、譲渡完了後に発生した売上や支払いに関する情報にはアクセスできません。一方、譲渡したアプリの受取人は、譲渡後に発生したトランザクションに関する支払いや売上の情報のみを受け取ることになります。
App Analyticsのデータ
アプリをほかのアカウントに譲渡すると、「App Analytics」にあるそのアプリのデータにはアクセスできなくなりますが、「売上とトレンド」セクションで引き続き過去のデータを閲覧することはできます。譲渡されたアプリを受け取る場合、そのアプリが最初にApp Storeで配信された日、またはそれが2015年4月1日以前である場合は、2015年4月1日以降の解析データがすべて表示されます。